2010年10月31日

映画『時をかける少女』〜失われたどこにもない時間を駆けめぐる青春映画

 傑作。泣きそうになった。素晴らしすぎる。予告で仲里依紗が制服姿で走るスクロール・ショットの疾走感を目にしたときから予感はあったが、近年観た邦画では間違いなくベスト1にあがる。脚本も面白い。これだけ過去の作があるリメイクで、これだけのドラマを紡げたことに拍手を送りたい。

 まず昭和のはんぱないディテールの再現力は『三丁目の夕陽』を軽く凌駕している。いやぱっと見のゴージャスさCG力は向こうが上だろう。というかこちらはCG使用した痕跡すらあまり見あたらない。しかし『三丁目の夕陽』はあまりにもどこにもない「昭和空間」だったが、本作は確実に地続きだったかつての世界の肌ざわりをまとっている。単純に手腕があると言っていい。是非この監督を覚えとこうと思う。

 なんといっても仲里依紗がヒロインとしてこれ以上ないほどの存在感を放ち際だっている。涼太のバスが去ってゆく瞬間、まさにSF故のかなしみは頂点に達して、しかもこれぞ青春映画という痛みを彼女は体現していた。

 自主映画のラストに出てくる最後の桜のつぼみをひとつだけ咲かせないところとか、追加撮影したラストショットではヒロインが後ろ姿のみで出てくるので、何も知らない現代ではヒロインだと認識されないとか、とにかく色々と細かいところがこちらの内部を刺激しまくるのであっというまの2時間となる。いやぁ映画館で見るべきだった。

 ところでアニメ版にも「ゴールドベルグ」が主題的に使用されてたけど、今回も一部使用されたのは何かあるのだろうか?(R)
posted by R at 02:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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